HK Popsにみる香港人のアイデンティティ(林憶蓮論)

ちょっと授業の準備で古いファイルをごそごそやっていたら、むかし書いたサンディラム論(?)が出てきました。ところどころ、事実関係の誤認がありそうでウラを取るべきかも知れませんが、ひとまずここに置いておく分には問題なさそうなので、ここに置いておきます。だいたい八千文字くらいあるので、さすがにPDFにしました。参照文献が行き届きませんが、Pops Asiaのバックナンバーも参照させていただいているので、ここの事実関係はそちらを踏まえているとご承知置き下さい。あらためて同好諸賢の学恩に謝意を表すものですm(_._)m

林憶蓮論
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フェイ・ウォン「将愛」DVD

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フェイ・ウォン「將愛All-In (DVD / CD) 特別典藏版 」が出るという宣伝が来て、迷ったのですが、やはり買ってしまいました。予約販売で少し割り引きで14ドルです。高いか安いか、なかなか難しいところですが、実際に手に入れてみれば、これは期待以上に良い出来で、これなら安い買い物でした。
 MTVのDVDはあくまでも「附送」であって、「Promotion Use Only」と書いてあったので、期待できないだろうと思ったのですが、「将愛」のうち十曲分のMTVが入っていて画質もよく、そのクォリティも期待以上のものでした。
 「将愛」はSFX仕立ての設定で、愛情を戦争にたとえ、地球に侵入したという宇宙人との戦いになり…という奇想天外の設定です。
 「空城」ではオフィスビルの空き部屋に一人たたずむフェイ。明るい街の風景を背にして、フェイはがらんとした部屋の中を一人優雅に踊ります。不思議な寂寞感が胸に迫ります。なんだか外の風景が香港というより東京に見えてしまうのだけれど。気のせいかな。
 「不留」「美錯」はわざとカラーを使わず、モノクロで処理した映像。「不留」は全てを恋人に与え、何ものも自分のために残したくなかった…という終わった恋を切々と歌い上げる一曲、やっぱりあの人と別れた事を歌っているのでしょうか(^^;)見ていると切ないですね。「美錯」は逆に失った恋の思い出を暖かく歌う一曲。
 面白かったのは日本の旅館でロケをしたらしい「乗客」、日本のどこかは分かりませんが、ドドレスアップしたフェイがふすまを背にして歌っているのは、日本人にとっては誠に奇妙な風景ですね(^^;)香港の人は結構スキーや温泉、ディズニーランドのために日本へ来ているという話なので、そのついでだったのかな(^^;)?
 「旋木」という曲はMTVで改めて歌詞を丁寧に読んで見てよいな~と思いました。木馬が一生懸命子供を満足させようとして頑張る気持ちが擬人的に歌われます。旋回する木馬は羽根もないし、空も飛べず、どこにも行けやしないのに…という趣旨で、凡庸といえば凡庸ですが、上質のセンチメンタリズムというのは、こういうものではないかと思うのです。是非とも歌詞を味わいたい一曲ですね。たかがおセンチ、されどおセンチですな(^^;)
 今回のアルバムは半数がフェイ自身の作詞作曲になるので、その分だけ彼女の心情を色濃く反映しているものといえるでしょう。過去2,3年ほとんど停滞状態にあった彼女ですが、今回のアルバムで新たな境地を開いたことは間違いありません。是非とも停滞することなく、新たな境地を切り開いてもらいたいものです。
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ウィルスに孫燕姿の写真が…

BackDoor-AWQ.bはリモートアクセス型トロイの木馬で、Borland Delphiで作成されています。BackDoor-AWQ.bをダウンロードして実行するように設定された電子メールメッセージが、スパムメールで送信されます。

・このメッセージはHTMLフォーマットで構成されています。件名はランダムな文字列からなり、本文には以下の女性の顔写真(このメッセージを表示するとリモートサーバから読み込まれます)があります


女性の写真…って、これ孫燕姿じゃありませんか。
ウィルスの作者が中華圏だっていうのがバレバレですが、それにしても、もしウィルス作者が孫燕姿のファンだとしたら、最低最悪のファンですね(^^;)

ま、危険度は余り大きくないようですが、気をつけましょう。まずは標準でHTMLメールを表示しないようにするのが一番ですが、どうしても使いたければ、せめてセキュリティアップデートだけはまめにやりましょうね。
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王心凌《爱你》

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 北京滞在の最終日、北京大学で在外研究中の某氏より教示を受けて、中関村東路118号にある华人音像广场に行ってきました。これは聯想橋の近く、なんとか批发市场の跡地に出来たらしい店なのですが、店の広さ、在庫量にはぶっとびました。CD,DVDだけを扱っているカルフールといった趣で、広い店内には大量の在庫が並んでいます。こんな凄い店はさすがにはじめてでした。びっくり。時間もないので1時間ちょっとしか見ていられなかったのですが、あれこれ買ってしまいました。

 帰ってきてからも、ばたばたしていて、やっと今日になってパッケージを開いているのですが、とりあえず手をつけたのが、王心凌《爱你》なわけです。相変わらずのジャケ買いで、われながら年甲斐もないと思うのですが、中身はやっぱり…ちょいと期待はずれかな。声質は結構好みなのですが、肝心の歌がよくありません。なんだかサラッと聞いても印象が余り残りません。韓国ポップスのカバーが多いようなので、そちらに詳しい人が聞くとまた面白いかも知れませんが。

 この歌手、台湾Avexが大々的に売り出した歌手で、日本で歌や踊りのレッスンを受けてからデビューしたそうで、技術的にもルックス的にも上々なのでしょうが、まだ個性といえるものは余り感じられないようです。日本でもヒットした「亜麻色の髪の乙女」をアレンジした「月光」は本歌のイメージをひっくりしてくれて、なかなか面白い歌で、これは授業でネタに使えるとよろこんだほかは、余り収穫無しです。これで2枚目のアルバムだそうですから、と言うことですから、将来に期待しましょう。
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「いやし」系歌手?範瑋琪

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 王心凌と一緒に買ったCDなんですが、なんと紹介の腰巻き(本の場合は腰巻きだが、CDの場合はたすきとでも呼べばよいだろうか…?)に「治療系」とあります。一瞬、healingという言葉が思い浮かびましたが、いやいや「癒し系」なんだろうな…と考えました。どう見てもhealingというジャケットではありませんから(^^;)

 が、しかし、聞いてみると、第二の予想も外れたような印象です。だってフツーのPopsですから。日本人の感覚からすると、遊佐未森のような音楽をいうのであって、これでは全然「癒し」にならんじゃないか!中国人の場合、これが「癒し」なのだろうか…どこをどう聞いても普通なんですが。何カ所かのサイトのレビューを拾い読みしたところでは、昔の陳明真のイメージに近いとという評価がありました。

 ふんふん、ま、清楚なアイドル系で、歌もそれなりという子ですね。私はアグネス・チャン、陳明真あたりは可憐だけれど、歌手としては今イチという評価のなのですが、もしかしたら、そのようなタイプに「癒し」を感じる人もいるかも知れませんね。私は同調できないのですが。

 ちょっと面白かったのは、《最初的梦想》が『Dr.コトー診療所』の主題歌「銀の竜の背に乗って」(中島みゆき)のカバーだったこと(じつは見ていないので、知らない…フジテレビ系2003年7月~9月放映だったそうです…なさけない^^;)。範瑋琪は相当このドラマにはまったそうで、どうしても歌いたいということで、MTVもわざわざ南島の雰囲気を求めてロケーションしたそうです。残念ながら、そのMTVは見ていないのですが。

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李心潔

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 そろそろ秋学期の授業の準備(主に総合中国語のネタ仕入れ)を昨日から始めたのですが、そのかたわらで買ってきたCDやらVCDを聞きながらですから、端から見れば、お気楽そのもののかもしれません。本人は結構にどれが教材にできるか真剣に探しているつもりなのですが(^^;)

 で、ここまで見てきたものは余り「当たり」とは言えなかったのですが、やっと一つ当たりが見つかりました。李心潔です。じつは3,4年前に「同一個天空下」というデビュー・アルバムを聞いて、「うわ、はずれ(あくまでも私の好みでは)」だったので、避けてきたのですが、北京でベスト版(MTV)が安かったので買ってきたのです。10元だし、MTVなら学生に見せられるので、どう転んでも損はしないから買っておくかという判断です。

 ところが、意外にも良いのですね。これまでのアルバムが良くなかったのは、私に言わせれば、本人のキャラクタに合わない売り方をしていたからという気がしました。

 一枚目の「同一個天空下」に続く、二枚目の「Bye Bye 童年」も私からすると気に食わないのですが(少なくともコンピレに収められたものは)、三枚目の「裙擺搖搖」は、溌剌とした李心潔が前面に押し出され、コミカルな味のあるMTVと相まってなかなか楽しい作品です。 

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 yesasiaでは「第一代李心潔活潑可愛,第二代李心潔自由自在,第三代李心潔超越期待」と評論がありますが、これだけアルバムごとに個性が違うのも珍しいというか、プロデューサーにいいようにされているというか(^^;)、ともかくメイキングを見ても、この三枚目が一番本人のキャラに近いのではないかという感じがします。

 といっても、この三枚目もじつは99年の作品で、最新アルバムは03年のMan And Woman だそうです。こちらはまたキャラが違うんだろうな…買ってみないと当たりかどうかわからんですね(^^;)
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梁靜茹《戀愛的力量》

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これもジャケ買いなんですが、なかなか良いです。私の場合、やはり歌が気に入るのは声質とかが大事らしく、耳で聞いていて心地よいかどうか、結構重要なファクターのようです。音楽そのものは結局のところ門外漢ですから、ここのメロディーラインがどうのこうのなんて、とてもいう資格ありませんから(^^;)

でも、この梁靜茹の場合、歌も気に入っていると思うのですが、何よりも十数曲収録されたMTVの完成度の高さに感心してしまいました。前に王菲のMTVもオマケのわりには良い出来だったのですが、これはそれ以上という感じがします。こういうDVDアルバムというのは日本でも沢山出ているのでしょうが、中華圏ではまだ少ないような気がします。このアルバムはあくまでもコンピレなので、美味しいところ取りなのは確かですが、なかなかのものです。他のアルバムもきちんと聴いてみようと思っていますが、yesasiaあたりを見ている限りでは、一枚か二枚程度しかなくて、全体像を窺うのは中々困難のようです。
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孫燕姿の新譜Stefanie

孫燕姿の新譜Stefanieが間もなく発売とかで、台湾では予約を受け付けているようですね。
一年間の充電期間を経て、ようやく復帰ということで、どんなアルバムに仕上がっているか楽しみですね。Stefanieとは彼女の英語名なのですが、自分の名前を冠したアルバムを出すというのは再出発を記念してのことでしょう。中華圏では結構デビューアルバムが歌手の名前そのものだったりすることが結構あるので。下記のFlashサイトでは五曲が順次さわりの部分を聞けるように公開されるようで、いまのところ三曲試聴できます。これだけ聞いても、ちょっとぴんと来ないのですが。
Stefanie同名專輯預購活動(いきなりFlashのページに飛ぶので、ブラウザが真っ白けの場合は、エンコードをbig5に直すと正常に表示されます)

追記》
1年の休養期間を終え、孫燕姿(ステファニー・スン)がついに帰ってくる! 2004年待望の最新アルバム「Stefanie」は、台湾での予約だけで18万枚、中国では150万枚の予約が入っているとか。この数字はステファニーのデビュー以来の記録を打ち破るもので、彼女のカムバックに寄せるファンの期待度が表れている。


Yesasiaでも予約受付が始まったようですね。中国では150万というのは、何に基づく数字なのか、よくわかりませんが、人気を集めることは間違いないでしょう。私も楽しみです。
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《Stefanie》

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が、やっとこさ今日届きました。香港から十日余りかかっていますが、こんなものでしょう。オマケで試聴版のCDがついてきましたが、正規版と一緒に届くのでは余り意味がないですね。単なるコレクターズアイテムだな、こりゃ。私には余り嬉しくないですね。VCDでMTVでもおまけに付けてくれたら良かったのにという感じですね。ま、早速朝夕の行き帰りに聞くことにします。ここしばらく王心凌がヘビィローテーションだったので、新鮮です。
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FIR飛兒樂團《我要飛》

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 久々に良いアルバムに巡りあえました。FIR飛兒樂團の《我要飛》です。これは良いですね。日本でも非常に受けるタイプの音楽だと思います。日本は現在グループで作曲、演奏を分担する形で音楽活動をするグループがたくさんありますが、台湾、香港ではまだまだ少数派です。大昔に達明一派やグラスホッパーがいたし、中国大陸には唐朝楽隊などもいましたが、商業ベースで成功したグループは最近ほとんどいませんでした。また、後でも触れるとおり、従来のアマチュア時代からずっと一緒にやってきたグループでないという点でも、このFIRは明らかに異色といえるでしょう。
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