千機變II

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今日で早稲田祭の連休も終わりです。多少秋学期後半に向けての準備も出来たので、ほっと一息です。けっこう一週間の休みは貴重でした。ハズレもあったけれど、いろいろとDVDも見られたし。

 昨日さっそく千機變II、見てみました。しかし、期待が大きかったせいか、やや期待はずれです。舞台は女王が支配する女人国。男は奴隷として売買されるという完全な女性上位社会です。この国の女王が極端な男性嫌いであるため、男性は極端なまでに虐待されている状態です。この状況を打破するため、皇帝星(神に認められた男性皇帝)を探し出し、隠された神剣を見つけ出さねばなりません。そうはさせまいとする女王と反体制派が争うというのが映画の構図です。

 さすがに多額の予算をかけて撮影しただけに、CGの仕掛けも凝っているし、雲南でのロケで風景もきれいです。しかし、背景設定(女人国)が極端すぎて、私の好みに合わないせいか、最後までついて行けませんでした。もったいない。

 見終わってから知ったのですが、主演の房祖明(皇帝星となる)はジャッキーチェンの息子なんですね。役柄設定からして、お人好しの気の弱い男という設定で、どうしても気に入らなかったのですが、これを知って謎が解けた感じです。ロードオブザリングを思わせるところがありますが、やはり、ここぞというところは格好良く決めてくれないと、映画としてしまらないのに、房祖明は最後まで神の剣に振り回されているだけで、余りいいところがありません(@_@)。

 この程度の役者を主演に据えてしまったから、こういうストーリー設定になったのか、それとも房祖明自身は良い役者であるのにストーリー設定が悪かったのか、何とも言えませんが、出来は今イチですね。

 あ、でもチョイ役で出ていた范冰冰、やっぱり良かった。きっと私だけなんでしょうが、これまで还珠格格での印象が強くて、評価が低かったのですが、本当に改めないといけません。
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《2046》

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ウォン・カーウァイの2046、やっと新宿で見て参りました。久しぶりの新宿文化シネマはこぎれいになって、ミニシアターに変貌していて、画面が小さかったのが残念ですが、映画は非常に良かった。

 ただ、この映画《花様年華》を見ていない人が楽しめるかというと疑問だし、一回で見て理解できるかどうかというと分かりにくい映画であることも確かですね。私の場合、事前に海外発売のDVD(中国発売の正規版、北京語音、字幕無し)で、見ていたので、楽しめたと言えるでしょう。(実際にロードショーで見るまでは書いてはいけないと思ったので控えていたのですが)

 2046という映画のタイトルは小説中の作品名でもあり、映画は2つの世界を往還しつつ描かれます。

A,主人公の小説家の恋愛模様を描く現実

B,近未来世界たる2046へと向かう列車を舞台とする小説の世界空間

 この二つの世界の主軸はあくまでもAにあるのですが、フィクションたる小説世界であっても結局は現実世界のありようを反映していますから、王菲(A:ホテルの娘、B:列車服務員のアンドロイド)や劉嘉玲(A:シンガポールの女、B:列車服務員のアンドロイド)のように、両方の世界に登場する人物も現れます。

 2046という所は、失った記憶をすべて取り戻せる世界であると説明されており、我が国の誇るトップスターたるキムタク(^^;)は、小説世界における主人公役として登場します。

 この映画をもし一言で評するなら「喪失感」といえるでしょう。主人公にとって、それは失われた恋人であり、永遠に満たされない理想としての愛なのかも知れませんが、この恋愛を通して表現される喪失感は一つの隠喩であって、映画の意図するものは現在の香港に生きる人々が感じざるを得ない喪失感なのではないかと思います。

 この映画を見ていて、改めてウォン・カーウァイがなぜ村上春樹が好きなのかが良く分かった気がします。

 それから余り誰も言わないようですが、ウォン・カーウァイの映画って、ほんと私(わたくし)小説的だな…と思います。私小説なんて読んだことのある人は誰もこんな映画を見ないのでしょうが、この映画も小説家が主人公で、その主人公は安ホテルでエロ小説を書きながら、隣の男女の交歓を盗み聞きしたり、あるいは逆にされたりしていて、まるで日本の私小説を読んでいるような気がします(^^;)恐らくはこうした環境というのは、多くの評論で指摘されるとおり、大陸渡来者として貧しい幼少年期を過ごした監督自身の経験するところだったろうと思いますが。

 作品を論ずるには準備が足りませんが、中国版(DVD)と日本公開版とで少しバージョンの違いを感じました。2046の小説世界の部分がやや多いこと(キムタクの出演時間が増えた…(^^;)、あとは中国版では忌避される床頭戲が若干増えていることでしょうか。キムタクとの絡みが多い王菲ファンの私としても、日本版の方が嬉しいです。日本公開版は1度しか見ていないので、やや正確さに欠けると思いますが。

 もう一つ気になったのは最後の梁朝偉が章子怡にいうセリフが日本版と中国版で違っていたこと。日本版では梁朝偉のセリフが広東語で字幕の日本語でしか確認できなかったのですが、中国版では北京語で「俺には貸せないもの(愛情)があるのだ」(カッコ内はワタシの解釈)と言って二人は別れます。この方がエンディングとしては良いと思うのですが、日本版ではそういっていませんね。ネタバレの恐れ大なので、そちらは省きますが。広東語をダイレクトに理解していたわけではないので、字幕翻訳者のトチリの可能性もありますが、疑問として書き残しておきます。

 最後は完全な個人的な好みですが、王菲のアンドロイド、なかなか良かったですよ。こういうのが似合う人ですね。あとは章子怡。こういう役が似合いますね。Loves十面埋伏での役はミスキャストでしたが、これを見ると、見事にはまっています。見直しました。ウォン・カーウァイの良いところは、その役者の地の味を引き出すところですね。

 見ていない人は絶対見ないと後悔しますよ(^^)。
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緑茶

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《緑茶》も是非日本で公開して欲しかったのですが、中国でSARS明けの昨年に上映されてもう一年。どうも日本で公開という話は聞きませんね。どうしてあれだけ良い映画が公開されないのに、どーでもいい映画が山ほど公開されるのか、商業ベースとは言っても残念でなりません。
《緑茶》は趙薇、姜文主演、助演には方力均となかなかの豪華スタッフです。ノーギャラで日本語字幕つけるぐらいのことはするので、是非、関係者の方、いまからでもお願いします(^^;)

いずれ公開されたらレビューを書こうと思っていて、それきりだったのですが、なかなか書き出すと、終わらないのですが、あらすじというか、私なりの《緑茶》解釈を書いておきます。以下、ネタバレ覚悟で読んでください。
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台流エンタメ・コレクション

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最近、韓流の次は台湾とささやかれて、テレビでもかなりの数の台湾ドラマがBSなどで放映されているようです。私、見ていないのですが(^^;)、それでも気まぐれに買い込む台湾Popsにもドラマの主題歌が入っていたりして、その勢いは感じていました。《鬥魚》の主題歌<Lydia>をFIRが歌っているというのも一例ですね。

今日ゲットした「台流エンタメ・コレクション」(キネ旬ムック、1200円也)は、いまやブレイク寸前の台湾ドラマを詳細に紹介した一冊として中々貴重です。「流星花園」が日本の少女漫画「花より男子」を下敷きにしているのは当然知っていましたが、この本を読むと日本の漫画を下敷きにしているドラマがたくさんあるのだと良く分かります。各ドラマの人間関係図も詳細に図解され、原作との比較もしてあって、少女漫画にくらいオジサンも、これなら安心ですね(^^;)

しかし、それにしても今更ながら驚いたのは、紹介されるドラマがどれもちゃんと日本でも発売されていると言うこと。現地でしか買わない人にとっては日本版は不条理に高いので、ハナから調べてみようともしなかったのですが、これだけ出ているとはホント意外でした。

唯一惜しまれるのは画像のクォリティがいまいちであったこと。なかなか手に入らないだけにやむ得ないのだと思いますが、ファンにとっては少し残念かも知れませんね。それを補ってあまりある情報量で、このお値段ですから、十分買いだと私は思います。

個人的にへぇ~と思ったのはトリビア度が高くて恐縮ですが、FIRのボーカル、フェイが蔡依林の大学同級生という事実(輔仁大学)。これは意外な組み合わせでした。
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アバウトラブ:關於愛

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 日本でも公開が始まった「關於愛」ですが、一足先に香港版で見ました。紹介にあるとおり、上海、東京、台北での恋愛の姿をオムニバス風に描いた作品です。東京篇では伊東美咲と陳柏霖が共演しています。監督もそれぞれ違うのですから、味わいも全然違うのは当たり前ですが、出来にかんして言うと、

 東京>上海>台北

という感じじゃないでしょうか。伊東美咲をひいきにしているのではなく(^^;)、役者の出来、ストーリーのおもしろさで、東京はまず合格点です。上海は李小璐で救われていますが、日本人男優のほうがチョイとどうも(^^;)ま、趣味の問題かもしれませんが。台北は演技(ダイコン?)も話もひどいし、范曉萱をなぜ使ったのか謎です。元アイドルであることは確かですが、他にもいたんじゃないかな…
 小品風の作品が3つあると思ってみれば、それなりに楽しめると思います。そうでないと、ちょっとがっかりする人もいるのではないかな…
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《緑茶》公開中!

姜文、趙薇主演の映画「緑茶」がなんと公開中です。
知らなかったよ(^^;)
公開されないだろうと、すっかり諦めていたのですが、これは見に行かなきゃいけませんね…

東京都写真美術館
http://www.syabi.com/details/mo_green.html
■上映期間 : 2006年4月15日(土)~5月19日(金)
■休館日 : 毎週月曜日(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日)
■会 場 : 1階ホール
■料 金
[当日券] : 一般 1,800円/学生 1,500円/中学生以下・シニア(60歳以上) 1,000円(レディースデー・映画の日の設定はありません)
■上映時間 : 11:00/13:00/15:00/17:00/19:00

green tea

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