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くちなしの白い花

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台風接近を報ずるニュースに脅えて、普段よりも早めに研究室を出ると、ふと夕闇迫る研究棟の脇から甘い香りが漂います。普段は気にもとめない2メートルちょっとの木なのですが、この頃になると花を咲かせるクチナシの花です。じつは我が家にも一本あるのですが(よくよく香りの強い花が好き…)、地を這うように咲いているせいか、切り花にしないと余り香りが分かりません。

ところが、大学に植えられているクチナシは種類が少し違うようで、立ち木になっています。飯倉照平『中国の花物語』(集英社新書)によれば、氏は沈従文のふるさと、中国の湖南省吉首で三メートルにも及ぶクチナシの木を目にされているそうなので、これくらいでは驚くに値しないのでしょうが。ちょうど肩口のあたりで花が咲いているので、今日のような雨もよいで湿度の高い日は濃厚に香ります。この息づまるような湿度と濡れた甘い香りが記憶のなかで分かちがたく結びついていて、クチナシの白い花に触れるたびに梅雨時を実感し、今年もまた夏が近いのだと感じるのです。
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