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そのとき、俺たちはみんな科学の子だった


書影より

このところ更新そのものが自己目的化しているような…
この二週間ほどは、単行本一冊たりとも読み切ったものがない…(^^;)というていたらくなので、正月に読んだ本をば。

矢作俊彦作「ららら科学の子」(文藝春秋)は昨年話題の本なのですが、正月にやっとこさ読みました。全共闘華やかなりし頃の日本から脱出し、「新中国」に密航した主人公が再び密航して日本へと戻ってくるところからお話は始まります。ストーリーは三十年前の日本しか知らない主人公が至るところで見知らぬ「日本」に出会いながら、行方しれずの妹を捜しながら転々とするのですが、三〇年前の日本人という視点はなかなか面白かったです。

ネタバレはいけないのかな…と思うので、ストレートに書けないのですが、色々な意味で主人公の失ったものは日本には実のところもうなくなっていたために、主人公は改めて納得ずくで中国へと再び「帰り」ます。

結構最後まで淡々とした結末なのですが、最後の場面で、むかし自分が日本を去る年、「鉄腕アトム」のTV放映が終わった年だったことを思い出し、表題の言葉を漏らすわけです。元気だった日本の時代を象徴するものであったといえるのでしょうね。

で、巻末のクレジットを眺めていて気が付いたことが一つ。
アトムのテレビ放映が終わった年って、実は1963年だったんですね。東京オリンピック開催年の前年、そして私も誕生年です。改めて自分の生まれた時代に思いを馳せてしまいました。
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