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李宗盛「不捨」

 ジョナサン・リー、台湾のポップスを語るうえで、この人や羅大佑は絶対外せないでしょう。私だって詳しいわけではありませんが(^^;)。
 李宗盛は台湾を代表するメロディメーカーとして、多数の歌手に曲を提供し、また自らも長年にわたり歌手として活動をしてきました。70年代末に、フォークギターのグループの一人としてデビューしたようですが、当時の曲がどんな者だったか残念ながら聞いたことがありません。私の知る限りでは1985年に滾石唱片(ロックレコード)に加入したあたりから、本格的に歌手デビューしたらしい、ぐらいしか分かりません。私が李宗盛を聞こうと探した当時、日本で彼のアルバムを探すのはなかなか容易ではなかったし、さりとて買い出しのために香港台湾まで出かけるほどのフリークではなかったのです(^^;)
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 翌年86年に発表された「生命中的精靈」そのものは入手不可能ですが、現在も入手しやすい「李宗盛精選1」で中身はほとんど聞けます。ジャケットカバーも似たようなものですし(^^;)ギター一本で語りかけるような調子で、「開場白」(幕を開ける挨拶の意)から、渋いノドで聞かせてくれる歌はポップスというよりもフォークという感じですが、バラエティに富んだ構成で、古さを感じさせないです。
 その後は、歌手としてよりも、メロディメーカー、プロデューサーとしての才能を買われ、88年からはロックレコードの副總經理(副社長)として、周華健,林憶蓮,潘越雲,陳淑樺などのアルバムをプロデュース、どれも相当なセールスを記録し、91年には自ら作詞作曲した「凡人歌」が大ヒット、台湾では老若男女広い階層から支持を受ける歌手として、芸能界のトップに登りつめます。この頃に作詞作曲家として提供した作品は「李宗盛作品集」に治められているそうですが、私は持っていません。収録曲のほとんどは提供を受けた歌手の方のアルバムで聞いているのですけれど。
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 このアルバムに続いて、「我們就是這樣」(蘆冠延と共作、93年),「希望」(93年)と出ていますが、持っていないんで(^^;)、はしょるとして、翌94年に芸能活動十年を記念するコンサートを開いた後、「李宗盛的音樂旅程 不捨」を発表します。初めての試みとして、マレーシアからカナダまで海外を転々としながら完成させたためか、「不捨」(離れがたい)というタイトルを付けたのでしょう。
 間もなく不惑を迎える男らしく、ラブソングも淡々とした歌いぶりですが、堂々とした大物の風格が漂います。なかには張信哲などに提供した歌が含まれているのですが、歌い手が変わると雰囲気がだいぶ違います。
 最近も、「最近比較煩」(2001年ぐらい?周華健、黃品冠の男3人組)がヒットしましたが、単発のものだけで、アルバムは出ていない模様です。少し惜しい気もしますが、やはり今後は音楽プロデューサーとしての才腕を振るうのが中心になるのでしょう。
 最後に特記事項として、思い出したのが、98年に林憶蓮と再婚したことでしょうか。なかなかびっくりのニュースでしたが、相当長期間の恋愛の末、李が元の妻と離婚し、ゴールインとなったようで、結婚以降はカナダ、バンクーバーに定住しているようです。う~ん、老李、なかなかやり手なんだろうな…(^^;)
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