趙薇の新譜《飄》、やっと来ました。
いやはや、 色々なことが重なって、届くのが遅くなりましたが、数日前にやっと届きました。
ちょっと前に届いた孫燕姿の新譜には正直裏切られた感じで、私の好みではなかったのですが、趙薇の新譜は良いです。スローなバラード曲を中心に、歌は一段と上手くなった感じです。歌い方の幅が拡がった印象で、ボイストレーニングかなにかをした成果なのかも知れませんが、曲によっては、例えば7曲目の「状態」など、最初聞いたときは、とても趙薇とは思えませんでした。思えば3年前のTVドラマの主題歌「情深深雨濛濛」以来なのですから当然かも知れませんが、歌手としても大きく成長したと思います。もっと歌手として活動していって良い人だと思いますね。
ただ一つだけ惜しまれるのは今回のCDがCCCD(Copy Controlled CD)だといういこと。中華圏でCCCDに出会ったのは、これが初めてなので、当たり前に購入したばかりのCDをメモリースティックに落として聞こうとしたら、なんと当たり前のやり方ではMP3に変換できず愕然としました。
著作権保護の趣旨には賛成ですし、こうして正規版を確実に購入できるYesasiaから購入しているのも、そのためです。とはいえ、CCCDを使ったところで、悪意のある第三者の手にかかれば、実に簡単になおかつ巧妙に複製できてしまいます。
私も個人的な利用の範囲での複製として、出先で聞けるように普段より手間を掛けてMP3に変換しましたが、これとて決して特殊なスキルが必要なわけではなく、やろうと思えば誰でも出来てしまうでしょう。ネット上では、その手の情報は幾らでも公開されていますし、それは私的複製の範囲に止まる限り、それは合法であり、正当な権利です。
私などが複製したものは、多少のジッター(雑音)が入ってしまいますが、もっと技術のある者がやればオリジナルと変わらない音質で複製できてしまうでしょう。プロテクトというのは結局そういうものです。鍵を掛ける原理が分かれば、外すのは造作もないことです。
実のところCCCD自体が極めてトリッキーな規格外仕様のCDであり、全てのCDプレーヤーでの再生が保証されるものではありません。海賊版抑止の趣旨は理解できますし、何らかの抑止策は必要ですが、これでは正規版を買う者が逆に減ってしまう懸念すらあるでしょう。少し待てば、技術力に物を言わせて複製した海賊版がどのみち出回るのです。恐らく海賊版の方は変なプロテクトもない分だけ、どんなプレーヤーでも再生できるのですから。
中国の海賊版抑止に必要なのは何よりも流通網の整備です。欲しいものが適正な価格でいつでも入手できるようになれば、相当抑止できるでしょう。あとは充分な著作権への啓発理解です。どちらも不足している現在、CCCDを作ったところでほとんど効果はないでしょうね。残念ながら。